我々の存在する宇宙も長い時間軸から見るとゼロ(無)の揺らぎに過ぎない。ビッグバンはゼロからの脱出であり、変化であった。当社の社名の「ゼロ・サム」は、合計がゼロ(無)になる世界、市場に対して、1(有)を生み出す、変化のない市場に対し能力と技術と熱意を持って、その市場を生み出し、拡大させる事によって、明日の、10年後の、次世代の歴史を生み出す事をもって我々の存在意義であり、会社の経営理念とし、社名としている。別の言い方をすると、「アンチ・ゼロ・サム・ゲーム(※)」が会社の理念である。
(※)ゼロ・サム・ゲームとは、経済学の用語であり、合計がゼロになるゲームの事を言う。例えば、1つのパイを奪い合うゲームを指す。

MESSAGE

ゼロ・サムは、世の中のゼロ・サム・ゲームとなってしまっている状況を打破、次の世の中の歴史を創造していくための会社として、2004年6月に京都にて設立しました。

設立時は、携帯電話のインターネット接続が急激に普及し始めた時であり、元々強みとしていた制限された通信環境およびコンピュータリソースの最適活用能力を活かし、携帯電話向けのソフトウェア開発を行いました。その際、日本では KDDI に採用されていたアメリカ Qualcomm 社提供の BREW OS への戦略的集中が功を奏し、日本国内でのソフトウェア開発のみならず、アメリカの MVNO 向けのアプリケーションストア開発を行い、アメリカの西海岸で、アメリカ、日本、インドの国際的協業体制の中でのシステム開発を行う貴重な経験を得る事ができました。

その後、当社の日本における事業では、スマートフォンの普及に伴う、カーナビゲーションアプリの普及や自動車とスマートフォンの連携、自動車のインターネット常時接続化によるテレマティクスの普及に対して、システム開発の面から様々なプロジェクトに関与させて頂きました。最近では、近未来に迫っている自動運転技術の普及を見据え、システム開発の視点より、最新の技術開発に関与させて頂いております。

また、アメリカでの国際的協業体制の経験から、2007年には、インドに子会社を設立し、当時ではまだ認識されていなかったインドの市場としての将来性を見越し、日本の技術と現地のローカルコンテンツの融合から生まれるサービスの提供を行っています。具体的には、ローカルのコミックを活用したコミックアプリケーションやアニメーションの提供から、ローカルの地図等を活用したカーナビゲーションサービスの提供、ローカルの交通渋滞情報を活用した高度交通情報システム(ITS)の提供などにつながっています。

これまでの事業の拡大は、ゼロ・サムのコンセプトに共感して頂ける株主様、取引先様、協力会社様のご支援の賜物であると従業員共々深く感謝しております。今後とも、限られたマーケットを取り合うようなビジネスの展開ではなく、新しいマーケットを創造していくことによって、歴史の次の1ページを切り開いていきたいと考えています。引き続き、関係者の皆さまのご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い致します。

2016年11月 京都 菊池 力